不倫慰謝料請求の流れ

Q. 夫が不倫をしていることが分かりました。相手の女性に慰謝料を請求したいのですが、手続はどのように進むのでしょうか?


A.
不倫慰謝料請求(今回は相手女性に対する請求を想定してご説明します。)を弁護士に依頼された場合、多くの場合、以下のような流れで進みます。


①資料収集

慰謝料請求をする前提として、まず、請求のための資料を収集する必要があります。
最低限、以下のような資料・情報は集めておく方が良いでしょう。

・不倫の事実が分かる証拠

→不倫と認定されるためには、肉体関係を持っていることが必要となります。したがって、2人が肉体関係を持ったことが分かる証拠が必要です。
ときに、相手方が自ら不倫の事実を認めることもありますが、相手方が不倫を認めない場合でも対応できるよう、資料は集めておいた方が良いでしょう。
肉体関係の頻度や不倫の期間等が分かる証拠も集めておくと良いでしょう。

・相手方の氏名や連絡先・住所等

→相手方の名前や連絡先・住所など、何らかの形でコンタクトが取れることも必要です。


②交渉

資料が収集できたら、いよいよ慰謝料請求について示談交渉を行います。
まずは、相手方の住所に弁護士から書面を送付するのが通常です。弁護士が付いたことを知らせるとともに、慰謝料を支払って下さいと通知する内容が多いでしょう。
例外的に、住所が不明の場合などは、相手方の電話番号に直接連絡するといったこともあります。


③訴訟(裁判)

示談交渉を行っても、相手方が不倫の事実を認めないとか、不倫の事実は認めたものの慰謝料額について争いがある場合などは、裁判を起こすことがほとんどです。
裁判所に、不倫をしていた事実、それによって被った損害等を主張し、不倫の事実の存否や慰謝料額等について判断を求めます。裁判途中で和解という形で結論が付くこともあれば、判決という形で裁判官の判断が下されることもあります。
判決に納得できない場合は控訴・上告等の手続をすることになります。


④執行

相手方の支払額が確定したが、約束の期限までに支払わない場合は、強制執行という手続をすることになります(※強制執行の前に裁判等が必要となる場合もあります。)。
ごく簡単に言えば、相手方の資産(預貯金や不動産など)から、約束した支払額を強制的に回収する手続です。場合によって給与などを差し押さえることもあります。
もっとも、相手方の資力次第では、強制執行しようにも差し押さえる財産がなかったり、強制執行をしてみたが空振りに終わったりということもあります。このように相手方の資力が乏しい場合等は、なるべく任意に支払を受けられるよう、分割払いにするといった工夫も検討することになります。

弁護士バッジのあれこれ

今日は、少し肩の凝らないお話を。


目にしたことがある方も多いでしょうか、弁護士バッジ。金色や銀色に光って丸い形で、「あ、弁護士だ!」とすぐ分かってしまうあのバッジです。

この弁護士バッジ、外側にひまわり、中央に天秤(はかり)が描かれています。ひまわりは自由と正義を意味しているそうで、天秤は公正を表しています。


さて、今日話題にしたいのは、この弁護士バッジの裏、スーツに止める部分がどうなっているかということ。今はどうか分かりませんが、私が弁護士になった頃のお話です。

これ、バッジを最初に渡された時は、ねじのような形状で、スーツの左襟にある穴に通し、蓋(?)を回して止めるような形になっています。

しかし、このねじ式、特に女性にはかなり不便です(少なくとも私は不便を感じました・・・)。
女性はスーツばかり着るわけではありませんし、さらに言えば、スーツでさえバッジを付ける穴が開いていないことも多く、ねじ式だと装着できないのです。


ではどうするかというと、このねじ状の部分をピン状などに変更することができます。
変更というと簡単に聞こえるかもしれませんが、そうでもありません。渡される時は全員、一旦はねじ式を渡され、後で変更という形になるため、しばらくバッジがない状態で仕事をしなければなりません。
弁護士の身分証を作成できるので、不便は大きくないと言えばそうですが、やはり弁護士登録して希望と熱意に満ち溢れている時期にバッジがないのは少し悲しい。
おそらく弁護士登録申請から実際の登録・バッジ渡しまでの時間的な制約からこのような制度になっているのだと思いますが、何か良い方法がないものか・・・

 

 

当番弁護士ってなに?

Q. 当番弁護士という言葉を聞いたのですが、どんなことをする弁護士ですか?

 

A. 「当番弁護士」という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか?
テレビドラマで刑事事件を担当する弁護士は見たことがあっても、「当番弁護士」という言葉は聞きなじみがないかもしれません。


⑴当番弁護士の概要

「当番弁護士」とは、逮捕された被疑者等から要請があった場合に、最初に接見に行く弁護士のことです(すでに知っている弁護士がいて、その弁護士を呼んだ場合は別です)。
逮捕された後最初の1回だけ無料で呼ぶことができます。
日にちごとに担当の弁護士が決まっており、当番制となっているので、「当番弁護士」と呼ぶのだと思います。

⑵当番弁護士の任務

当番弁護士は、連絡を受けると、警察署などに行き、逮捕された被疑者と接見します。
そこで、黙秘権などの権利や今後の手続の流れ、取り調べを受けるにあたり注意すべき事項などを説明します。
家族に連絡をとってほしいといった希望がある場合は、事案によりますが、連絡をとる場合もあります。

 

特に初めて逮捕された場合などは、憔悴している方も多く、初めての取り調べにどう対応してよいのか困惑・混乱している方も多くいらっしゃいます。弁護士を呼んで、気持ちを落ち着け、自分の状況や認められた権利等を理解して、取り調べ等に臨むことが重要です。弁護士とは立会人なく接見することができますから、まずは落ち着いて話をすることが大事です。

公正証書遺言のメリット

Q. 遺言書を作るなら公正証書遺言が良いと聞いたのですが、どんなメリットがあるのですか?

 

A. 公正証書遺言とは、公証人に依頼し、公正証書として作成してもらう遺言のことです。
費用面の問題や事案にもよりますが、一般的には、遺言を作成する場合、公正証書遺言にすることをお薦めしています。
公正証書遺言には、以下のようなメリットがあるためです。


①遺言無効などの主張がされる確率が比較的低い

一応、公証人が遺言者に直接確認をした上で作成されるため、遺言書が真意によるものでない等の主張がされにくい傾向にあると感じます。本人確認も行われますので、本人が作成したものかが争われることは少ないのではないでしょうか。
もっとも、公正証書とはいえ、その遺言が100%有効であることを担保するものではないので、遺言の有効性について争う余地はありますし、実際争われることもありますが、確率としては低いように感じます。


②公証人は法律に関する専門的な知識を有しているため、形式面だけでなく、内容面でも適正な遺言ができることが多い


③公証人が原本を保管しているので、偽造・変造や破棄・隠匿のおそれがない(もちろん紛失する心配もない) (※新しくできた自筆証書遺言保管制度をのぞく)


④相続人が遺言書を探すのが容易

公正証書遺言の場合、公証役場に依頼し、遺言検索システムで検索してもらうことができます。自筆遺言のように、押し入れにあるのか、神棚にあるのか・・・と探す必要はありません。

もっとも、新しくできた自筆証書遺言保管制度では、相続人などが遺言書保管所(保管所として指定されている法務局のこと)に「遺言書保管事実証明書」という書類の交付を請求できます。これにより遺言書を検索することができるのです。したがって、この制度を利用していれば、遺言探しも容易になると思われます。


⑤検認などの手続が不要

自筆証書遺言の場合、まず、家庭裁判所において「検認」という手続を経ることが必要です(新しくできた自筆証書遺言保管制度を除く)。
公正証書遺言では検認が不要のため、面倒な手続をしなくてすみます。

 

公正証書遺言には以上のようなメリットがあります。

なお、ここまでにも何度か出てきましたが、今般新しく、自筆証書遺言保管制度という制度ができました。これにより、上記のメリットのうち③~⑤はカバーすることができると思われます。しかし、①、②については、なおカバーできません(①のうち本人確認については、自筆証書遺言保管制度でも、保管申請の際に本人確認が行われるようです。)。
事案にもよりますが、一般的に公正証書遺言のメリットが大きい状況は変わっていないと言えるでしょう。

 

遺産分割の流れ

Q. 遺産分割をめぐる争いを弁護士に依頼した場合、どのような流れで進むのですか?


A.
相続争いは、ご相談でもよくある事件類型の一つです。
このような遺産分割をめぐる争いを弁護士に依頼した場合、どのような流れで進むのか簡単に解説します。

①交渉(裁判外での交渉)

弁護士に依頼された場合、すぐに裁判にするのではなく、まずは、相手方(遺産分割をめぐり争いになっている方)と裁判外で交渉を行うのが一般的です。
裁判となると、申立費用など追加の費用もかかりますし、裁判期日も月1回のことが多く、終了までにかなりの時間を要することもしばしば。
ですので、まずは、交渉で話がまとまらないか、トライしてみることが多いです。

②調停

交渉をしばらく続けても、当事者どうしでは話がまとまらない場合、家庭裁判所に申立をします。まずは、「調停」の申立(申し立てられることもあります。)をすることがほとんどです。
調停も、交渉と同じ話合いの手続です。したがって、当事者の合意がなければ調停成立とはなりません。
一方、交渉と異なるのは、調停委員という第三者が間に入る点です。調停委員は、この後ご説明する「審判」を見据えた話をしてくれることが多いので、話合いがうまくまとまることもあります(もちろん、結局は話合いですから、うまく行かないことも多々ありますが。)。

③審判

調停でも話がまとまらない場合、家庭裁判所における「審判」になります。
これは、当事者の主張を聞いた上で裁判官が結論を出す手続です。当事者の合意や納得が必要ない点で交渉や調停と異なります。交渉・調停を経ていることが多いため、かなりの時間がかかっていることが多いのですが、一定の結論が出されるメリットはあります。
審判に対して納得がいかない場合は、高等裁判所に即時抗告をすることになります。

※このほか、いわゆる使途不明金が争いになっている場合などは、地方裁判所などで訴訟を行うこともあります。


以上が、遺産分割の簡単な流れになります。

相続争いになると、これまで行き来のあった兄弟姉妹が対立し、思いもよらない言葉を浴びせられたり、「そんな昔のことを持ち出すのか」と思われるような話が出てきたりと、当事者はかなりのストレスを感じてしまいます。
裁判沙汰なんて恥ずかしいと思わずに、まずは弁護士にご相談されてはいかがでしょうか。

 

取扱業務

取扱業務一覧

人には言いづらい離婚問題やストレスのかかる相続問題など、
女性ならではの親しみやすい雰囲気で、親身になって相談を承ります。
大変な状況でご不安もお有りの方が多いかと思いますが、
まずは当事務所にお気軽にご相談ください。
個人のお客様から法人のお客様まで、民事家事事件から顧問弁護士・刑事事件まで、
幅広く対応いたします。

民事家事事件

  • 相続
    遺言書の作成その他遺言に関する問題、
    遺産分割等
  • 離婚
    離婚、財産分与、慰謝料、親権、
    養育費等に関する問題
  • 不倫慰謝料
  • 交通事故
    交通事故では早めのご相談が重要
  • 一般民事事件
    個人のこと、会社のこと
  • 債務整理
    借金に関するお悩み

刑事事件

  • 告訴・告発を検討している、
  • 家族が逮捕されてしまった…

など、ご相談下さい。

顧問弁護士

  • 会社では、紛争の事前防止が重要です。
    会社の顧問弁護士として契約書のチェックや
    法律的なご相談に対応いたします。

相続問題でお悩みの方へ

一例のご紹介
  • 遺産の分け方について、家族間の話し合いがまとまらない
  • 遺言書を作成して、子どもたちが財産のことで揉めないようにしておきたい
  • 亡くなった親族の遺言書が出てきたが、どうしてよいかが分からない

相続トラブルはなかなか根の深いものがあります。たとえば、遺産分割で揉めているというご相談で良く聞くのが、「遺産の分配について話していたはずが、生まれてから今までのあれやこれやの話まで出てきて...もう話合いがストレスでしょうがない!」といった声です。当事務所にご依頼頂いた場合、弁護士が代理人として、他の相続人との交渉や、家庭裁判所における手続等を行います。
また、死後のトラブルを避けるためには、遺言書を作成しておくのが有効です。当事務所では、遺言書の内容のご相談から、遺言書・公正証書遺言の作成まで対応いたします。

離婚問題でお悩みの方へ

一例のご紹介
  • 離婚を希望しているが、相手が応じてくれない
  • 離婚を前提に話し合いを進めているが、親権や財産分与の問題で争いがある
  • 夫の不倫相手に対して、損害賠償を請求したい

離婚について話合いをしている場合、すでに信頼関係が崩れていることがほとんどです。これまでは目をつぶってきた嫌なところばかり見えて話合いが余計にヒートアップなんてことも...。代理人が入ると、直接交渉をしなくて済む分、冷静さが生まれます。相手への不満を聞いてもらえて少しすっきりしたという方も。交渉段階でも、裁判所での手続段階でも、依頼者様の代理人として、ストレスを和らげつつ、解決が導けるよう尽力いたします。

交通事故でお悩みの方へ

一例のご紹介
  • 交通事故にあったが、どうしてよいかが分からない
  • 交通事故で怪我をしたが、相手の保険会社から提示された賠償金額が妥当かどうか疑問だ

交通事故は早めのご相談を。最近は、自動車保険に弁護士費用特約が付いている場合も多く、費用をさほど気にすることなく、弁護士に依頼することもできます。身体に痛みがあるのにその場で強く言わなかったために物損事故になっているといったケースもあります。早めにご相談いただけば、事故直後から、どのような資料を保管しておくべきか等も含め、損害賠償請求を見据えたアドバイスをすることができます。もちろん、その後の保険会社とのやり取りも対応いたします。

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浅岡法律事務所では、初回相談無料(1時間)で対応させていただいております。
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ただし、事件の難易や必要な処理量等により前後する可能性はございます。
相談の際にお見積りを行い、ご説明いたします。
債務整理事件についても、ご相談の際に、基本的な費用表をお示しいたします。

弁護士
浅岡 裕子
  • 広島市出身
  • 東京大学法学部 卒業
  • 東京大学法科大学院 修了
  • 弁護士登録後、広島弁護士会・第二東京弁護士会所属にて執務
  • 浅岡法律事務所開設
    (広島弁護士会所属)
  • 子どもの権利委員会等所属
  • 1児の母

代表 浅岡裕子 挨拶

法律事務所と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
お偉い先生がドーンと座って話しにくそう...親身になって聞いてくれないのでは?
わけの分からない法律用語ばかりだったらどうしよう...このようなイメージや不安を持たれる方が多いのではないでしょうか。
実際、私も、ご相談に来られた方から、「来る前は不安でした。」と打ち明けられたことが何度も。
当事務所では、落ち着いた空間で、話しやすい環境を作ること、法律用語はなるべく避け、使用する場合には分かりやすく説明すること、
こういった基本的な事項を丁寧に守りながら、相談対応を行うことをモットーとしております。
もちろん、当事務所に依頼して頂いた後の打ち合せでも同様です。
だからといって、相談者様の耳に心地よいことばかりを申し上げる訳にはいきません。時には、耳に痛いことも申し上げます。
その方が相談者様のためになると思うからです。
当ページをご覧の方には、「女性弁護士!相談しやすそう。」という方もいらっしゃれば、「女性?うーん...」と思われる方もいらっしゃることでしょう。ある問題に対するアドバイスや方向性がどのように提示され、処理が行われるのか?一度お聞き頂ければ幸いです。
まずは一度、ご相談頂ければと思います。

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