取り調べで注意すべき事項
Q. 夫が逮捕されました。突然のことで、本人もかなり混乱しているようです。
警察の取り調べも行われているようですが、どのようなことに注意して取り調べに臨べば良いでしょうか。
A. すぐに弁護士を呼びましょう。取り調べに臨むにあたっては、以下の①~③の3点を理解しておくことがまず重要です。
警察に逮捕されてしまったという場合、何より大事なのは、すぐに弁護士を呼ぶことです。
この場合、当番弁護士の出動を要請することができます。
当番弁護士は、被疑者に認められている権利や今後の流れ等について説明してくれます。
事案にもよりますが、家族に連絡等をしてもらうことも可能です。
また、立会人を置くことなく面会ができますので、今後取り調べにどう対応すれば良いか等、周りの目を気にすることなく相談することができます。
当番弁護士の役割について、詳しくは、以前の記事「当番弁護士ってなに?」をご参照下さい。
また、逮捕後、勾留されると、被疑者国選弁護人を付けることが可能です(もちろん、費用に問題がなければ私選弁護人を付けても構いません。)。
当番弁護士は原則1回限りの出動ですが、弁護人が付けば、継続的に相談したりアドバイスを受けたりできます。
その他、事案に応じて、被害者への対応や家族への対応なども行ってくれます。
このように、逮捕された場合には、弁護士を呼ぶ(付ける)ことが何より重要ですが、それに加えて、被疑者として取り調べを受けるに当たっては、以下の3点を理解しておいて頂きたいと思います。
①黙秘権が認められていること
取り調べに対して、言いたくないことは言わなくて良い権利です。
ずっと黙っていても構いません。
②調書に虚偽が記載されないようにすること
取り調べの最後に、多くの場合、供述調書が作成されます。
警察官や検察官が供述調書を作成すると、通常、その内容について読み聞かせされ、最後に署名指印を求められます。
この時、事実と違うことが書かれていたり、ニュアンスが違うといったようなことがあれば、必ずその点を指摘し、訂正を求めて下さい。
訂正に応じてくれない場合や納得がいかない場合には、署名指印を拒否することができます。
事実と異なるにもかかわらず、訂正することなく署名指印などをしてしまうと、その後の裁判で、なぜ事実でないのに署名指印したのか等も争わねばならず、大変になってしまいます。
ですので、この点は是非ともご注意頂ければと思います。
③警察官などからの不当な取り調べがあった場合は、すぐに弁護士に伝えること
最近は少なくなっていると信じていますが、万が一警察官等から不当な取り調べがあった場合についてです。
不当な取り調べを受けても虚偽の自白はしないこと、これが何より重要です。そしてすぐに弁護士に伝えること。弁護士から、取り調べについて記録するノートのようなものを渡されている場合には、そこにも詳細に記録しておきましょう。
その上で、今後の取り調べへの対応について、弁護士と相談しましょう。
この3点が、取り調べを受けるに当たって最低限心得ておくべき事項となります。
まずは弁護士を呼び、弁護士のアドバイスを受けながら、取り調べ対応等をしていくことが大事です。